長期優良住宅って結構ややこしい2 [住まい情報]
さてさて、そもそも長期優良住宅はなぜ必要だったのか。
日本の住宅寿命は20数年から30年というのが常識になっていました。
だから、寿命が来たら当然のように「建替え」「住み替え」ですね。
時は1997年12月、場所は京都の国立京都国際会館。
舞台はかの「京都議定書」が採択された地球温暖化防止京都会議にまで遡ります。
日本が約束したCo2マイナス6%はここが始まりですね。
Co2削減の方策の中に、森林の問題もありました。
張り切っていた日本が批判の矢面に立ったのもこの問題でした。
そう、森林伐採です。
日本の住宅寿命は発展途上国並。
だから、木材を大量使う。
しかも、その大半は輸入に頼り、外国の森林を大規模に伐採することに。
国内の森林は逆にほったらかし状態にもかかわらずです。
日本の住宅の寿命を延ばして木材の使用を抑える。
つまり、酸素を生み出す森林を守ることは日本の大命題になったのです。
ついでに、ほったらかしてあった日本の木材も使わなくちゃ。
という発想が必要でした。
時を同じくして住宅の着工件数は減少に転じていて、
逆に増えすぎた建築業者の中には悪徳と呼ばれる問題児が出始めていました。
そんな背景があって出てきたのが『200年住宅』です。
時の福田首相が旗揚げしたのですが、その時点では言葉だけが先走りました。
今まで20数年から30年と言われていた家を、いきなり200年ですから。
面喰ったのは私たち建築業者でした。
「どうやって200年持たせるのか」
「コストが上がるだけだ」等々。
しかも、輸入を抑えるためにほったらかしの国産材を使おうとするとCo2も増やすことになる。
鉄筋コンクリートだってまだ100数十年なんだからやっぱり無茶では。
そんなこんなの議論伯仲、非難ごうごうな中で、
悪徳業者の排除のためにも必要だった「住宅の品質確保の促進にに関する法律」
通称「品確法」がその判断基準のベースになって
稚拙にもその名称は「200年住宅」から「超長期住宅(100年住宅)」へ
そして、「長期優良住宅」という概念を生み、ここに落ち着きました。
というのが長期優良住宅誕生の物語でした。
確かに大事なことではありますね。
大量生産、大量消費が美徳とされた高度成長時代、
華美で豪華がもてはやされたバブルと呼ばれた時代に乗って、
その対象が住宅にまで及んでいたと考えれば
本来の姿ではないかも。
なんか切なくなります。
一人物思いにふけりながら、次回につづく。
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